介護過程シリーズとして、
ここまで情報収集・分析・課題・
目標設定・支援計画・実施・評価と
整理してきました。
その中で、
介護過程を展開する上で
とても大切な視点があります。
それがICFの考え方です。
特に今回は、
「している活動」「できる活動」「する活動」
の違いと、
「参加」への視点について
深掘りしていきます。

ICFって、
介護過程とそんなにつながってるんだね

そう。
ここを理解すると、
ケアの方向性が
大きく変わってくるんだよね
この記事では、
介護過程を展開する上で
大切なICFの視点を整理していきます。
1.している・できる・する活動とは何か
ICFの「活動」と「参加」の項目には、
それぞれ3つの視点があります。
【活動】
している活動:
普段、実際にやっていること。
例:「車椅子で自走している」
できる活動:
訓練や人の力を借りれば
できること。
例:「平行棒を使用して
10メートル歩行できる」
する活動:
今後の目標として
目指す活動のこと。
例:「短下肢装具をつけて
杖歩行ができるようになりたい」
【参加】
している参加:
普段、実際に参加していること。
例:「施設内で月1回
麻雀クラブに参加している」
できる参加:
人の力を借りれば
できること。
例:「家族が車を運転して
外食している」
する参加:
今後の目標として
目指す参加のこと。
例:「夫婦でもう一度
堂ヶ島のトンボロを訪れて、
海の道を一緒に歩いて渡りたい」

3つの違いって
どう使い分けるんですか?

特に大事なのは
「している活動」と「できる活動」の
ギャップなんだよね
「している活動」と「できる活動」のギャップが、
活動向上のための大切なヒントになります。
この方の場合、
「普段は車椅子で自走しているが(している活動)、
平行棒を使用して10メートル歩行できる(できる活動)」
このギャップがあるということは、
歩く力がまだ残っている可能性があります。
そこに働きかけることで、
短下肢装具をつけた杖歩行(する活動)へ、
そして夫婦で堂ヶ島のトンボロを歩いて渡る(する参加)へと
つながっていきます。

ギャップを見ると、
その人の可能性が見えてくるんだね

そう。
できていないことではなく、
できる可能性に目を向けることが
大事なんだよね
2.介護現場でよく見られる傾向
ICFを使って介護過程を展開するとき、
現場でよく見られる傾向があります。
それは、
活動の部分、特にADLだけに
意識がいきがち
ということです。
ADLとは、
食事・入浴・排泄・移動など
日常生活動作のことです。
例えば、
先ほどの右片麻痺の男性の場合、
「長く歩けるようになる」
「平行棒から杖歩行に移行する」
こういった目標は
大切なことです。
でも、
ADLだけで展開すると、
身体面・機能面だけの介護過程
になってしまいます。

ADLだけじゃダメなんですか?

ADLは大切だよ。
でもそれだけだと、
その人がどうなりたいかという
視点が抜けてしまうんだよね
介護の仕事をしていると、
どうしてもADL面だけで
捉えがちになります。
でも本当に大切なのは、
その人がどうなりたいのかを
考えることです。
3.参加に目を向ける
ADLだけでなく、
「参加」に目を向けることが
大切です。
参加とは、
社会や地域・家族との関わり、
趣味ややりたいことのことです。
先ほどの右片麻痺の男性の場合、
「夫婦でもう一度
堂ヶ島のトンボロを訪れて、
海の道を一緒に歩いて渡りたい」
という夢があります。
これが、
この方の「する参加」です。

こういう夢って、
介護過程に入れていいんだね

むしろ、
ここが一番大事なんだよね。
その人がどうなりたいか、
何を叶えたいかを
中心に考えることが
本当の意味での介護過程なんだよ
ここで大切なのは、
本人の自己実現をどう考えるかです。
「この状態では無理だ」と
はじめから決めつけるのではなく、
「どうやったら達成できるか」
「どんな段階を踏めば
自己実現に近づけるか」
を考えることが大事です。
「右片麻痺があるから無理」と
決めつけるのではなく、
「短下肢装具をつけて杖歩行ができるようになる」
という段階を踏みながら、
その夢に近づいていく。
ADLの目標である
「杖歩行ができるようになる」は、
参加の夢である
「堂ヶ島のトンボロを歩いて渡る」
という目標があるからこそ、
意味を持ちます。
これが、
ICFを使った介護過程の
本質だと思います。

目標の奥に
その人の夢があるんですね

そう。
その夢を叶えるために
私たちは何ができるかを
考えることが大事なんだよね
まとめ
ICFの「活動」と「参加」には
それぞれ3つの視点があります。
している・できる・する。
「している」と「できる」のギャップが、
活動向上のヒントになります。
介護現場では
ADLだけに意識がいきがちですが、
「参加」に目を向けることが大切です。
その人の趣味・やりたいこと・叶えたい夢。
そういった参加の視点を持つことで、
その人らしい自己実現につながる
ケアができます。
それは、
その人の尊厳を守ることに
つながります。
「右片麻痺があるから無理」と
決めつけるのではなく、
「どうやったら達成できるか」
「どんな段階を踏めば
自己実現に近づけるか」
を考え続けることが、
介護過程の本質です。

ADLだけじゃなくて、
その人がどうなりたいかを
一緒に考えることが
本当の介護過程だよ
あなたが担当している利用者さん、
その人が叶えたい夢や
やりたいことを
知っていますか?

コメント