これまでの記事では、
判断とは何か
責任とは何か
上司との距離感
抱え込みのメカニズム
について整理してきました。
中堅になると、
判断する場面が増えてきます。
責任も感じるようになる。
現場のことも、
少しずつ見えるようになってくる。
だからこそ、
「なんだか最近、しんどいな」
そう感じる瞬間も
増えてくるのではないでしょうか。

中堅って、
新人のときより大変な気がするんだよね。
上にも気を使うし、
下からも相談されるし…
それでも、
長く現場で働き続けている
中堅職員がいます。
特別な能力があるわけではない。
誰よりも仕事が早いわけでもない。
でも、折れない。
では、
何が違うのでしょう。
― 人は思い通りにならないもの ―
私は長く現場を見てきて、
折れずに働き続けている人たちには
ある共通点があると感じています。
それは、
能力ではなく
「考え方の持ち方」です。
この記事では、
折れない中堅に共通する考え方を
現場目線で整理していきます。
1.感情に振り回されない考え方を持っている
現場で働いていると、
感情が揺れる瞬間があります。
思ったように動いてもらえない。
伝えたことが、
うまく伝わらない。
同じことを、
何度も説明することもある。
そんなとき、
「どうしてできないんだろう」
「なんでわかってくれないんだろう」
そう感じてしまうこともあります。
これは、
誰でもあることです。
でも、折れない中堅の人たちを見ていると、
ある共通点があります。
それは、
人は思い通りにならないもの
という前提を持っていることです。
1-1. できなくて当たり前、うまくいかなくて当たり前
折れない人は、
できなくて当たり前
うまくいかなくて当たり前
という感覚を持っています。
もちろん、
何でも許すという意味ではありません。
ただ、
思い通りにいかないことは
起きるもの。
そういう前提で
物事を見ています。
だから、
思った通りにならなかったときも
感情が大きく揺れにくいのです。

正直、
“なんでできないの?”って思うことあるよね

あるよね。
でも、人ってそもそも思い通りにならないんだよ
ここで、少しだけ考えてみてください。
みなさんは、
自分の家族を
思い通りにすることはできますか?
家族でさえ、
思い通りにならないことが多い。
それなのに、
職場の人が
思い通りになるはずがありません。
そう考えると、
少しだけ気持ちが楽になります。
1-2. 良い意味で、人に期待しすぎない
折れない中堅は、
良い意味で人に期待しすぎません。
期待が大きすぎると、
「これができない」
「あれもできない」
と、どうしても
減点評価になりやすいからです。
一方で、
最初から過度な期待をしていないと、
「ここまでできたね」
「これはできるようになったね」
と、加点評価で
見ることができます。
同じ出来事でも、
見え方は大きく変わります。

だめなのはわかってるんだけど、
できてないところばっかり
見ちゃうとき、あるよね

そういう時もあるよね。
でもね、小さくても
“できてること”を見ると
関係が変わるんだよ
この違いは、
意外と大きいものです。
1-3. 感情を整えるための工夫
とはいえ、
イライラすることはあります。
現場で働いていれば、
それは自然なことです。
大切なのは、
イライラしないことではなく、
感情に振り回されすぎないこと。
そんなときに役立つのが、
アンガーマネジメントの考え方です。
一度立ち止まる。
少し間を置く。
それだけでも、
感情の波は少し落ち着きます。
アンガーマネジメントについては、
以前の記事でも詳しく紹介しています。
興味のある方は、こちらも参考にしてみてください。
→ 【アンガーマネジメント入門】怒りってなに?介護現場で役に立つ!感情との上手な付き合い方
→ 【アンガーマネジメント入門 part2】あなたはどういう時に怒りを感じる?まずは自分を知ろう!
→ 【アンガーマネジメント入門 part3】介護現場で活きる!即効技と習慣で変わるアンガーマネジメント術
2. 折れない中堅は「相談」と「報告」を使い分ける
― 相談と報告は現場を回す技術 ―
中堅になると、
「どこまで自分で判断するのか」
「どこから相談するのか」
この線引きが難しくなります。
全部を相談していては、
仕事が進まない。
でも、
すべてを自分で決めるのも違います。
このバランスに
悩む人は多いと思います。
折れない中堅の人たちは、
相談と報告をうまく使い分けています。
2-1. 相談は「結論から」
相談するときは、
結論から伝えることを意識します。
たとえば、
利用者さんの体調が急に変わったとき。
予定と違う対応を
する必要が出てきたとき。
そんなときは、
「○○さんですが、今日は入浴を見合わせた方がいいと思います」
というように、
まず自分の判断を伝えます。
そのうえで、
「この判断で大丈夫でしょうか?」
と確認する。

相談って、ついつい
“どうしたらいいですか?”って聞きがちなんだよね

そうだね。
でも中堅になると
“自分はこう思うんですが”って一言あるだけで
話がすごく進むんだよ
2-2. 判断できることは「事後報告」
折れない中堅には、
もう一つの特徴があります。
それは、
判断できることは自分で決める
ということです。
たとえば、
小さな現場判断
日々の対応の微調整
こうしたことまで
すべて相談していると、
自分も疲れてしまうし、
上司も疲れてしまいます。
だから、
判断できることは決める。
そのかわり、
あとで共有する。
いわゆる
「事後報告」です。
相談と報告を
うまく使い分けることで、
仕事の流れは
ぐっと楽になります。
3.折れない中堅は「仕事との距離感」を持っている
― 力を抜くことも大事な仕事 ―
中堅になると、
「自分がやらなきゃ」
「もう少しだけやっておこう」
と思う場面が増えてきます。
責任もあるし、
現場のことも見えてくる。
だからこそ、
気づかないうちに
仕事を抱え込みやすくなります。
そして、
少しずつ
仕事の時間が伸びていく。
折れない中堅の人たちは、
仕事との距離感を
少しずつ整えています。
3-1. 休憩中も仕事をしてしまう
たとえば、
本来は休憩の時間なのに、
記録を書き始める。
書類を確認する。
次の段取りを考える。
気がつくと、
休憩しているはずなのに
頭の中はずっと仕事のこと。

休憩してても、
“あれもやらなきゃ”“これもやらなきゃ”って考えてて、
結局仕事してるみたいな時あるよね
中堅になると、
責任も増えます。
現場の流れも見えるようになる。
だからこそ、
休憩中でも
仕事のことが頭から離れなくなる。
こういう状態が続くと、
気づかないうちに
疲れがたまっていきます。
3-2. 定時後も「もう少しだけ」と仕事をしてしまう
もう一つよくあるのが、
「もう少しだけ」
の積み重ねです。
この記録だけ書いておこう。
ここまで整理しておこう。
明日の準備だけしておこう。
そんなふうに思って
仕事を続けていると、
気づけば
定時を過ぎている。
中には、
タイムカードを切ったあとも
「これだけやっておこう」と
仕事を続けてしまう人もいます。
一つ一つは
小さなことです。
でも、
「もう少しだけ」が
積み重なると、
仕事の時間は
少しずつ伸びていきます。
3-3. 「今やること」と「あとでもいいこと」を分ける
理想を言えば、
休憩はちゃんと休む。
定時になったら帰る。
それが一番です。
でも実際の現場では、
どうしても
その場で対応しなければならないこともあります。
だからこそ大事なのが、
「今やること」と
「あとでもいいこと」
を分けることです。
今やる必要があることはやる。
でも、
今じゃなくてもいいこと。
明日でも大丈夫なこと。
そういう仕事は、
思い切って後回しにする。
仕事との距離感を整えるとは、
こういう小さな判断の積み重ねなのかもしれません。
4.折れない中堅は「利用者さんとの距離感」を調整している
― 近すぎず、遠すぎず ―
介護の仕事は、
利用者さんと関わる仕事です。
だからこそ、
感情が動く場面も多くなります。
うれしいこともあるし、
やりがいを感じる瞬間もある。
でもその一方で、
気持ちが揺れることもあります。
折れない中堅の人たちは、
利用者さんとの距離感を
少しずつ調整しています。
近すぎず、遠すぎず。
そのバランスが、
長く続けるための
大事なポイントになります。
4-2. 距離が近すぎると感じたとき
利用者さんに
感情移入しすぎていると感じたときは、
他の職員に
少し話してみるのも一つの方法です。
「自分はこう感じているんだけど、
どう思う?」
と共有するだけでも、
気持ちが整理されることがあります。
一人で抱え込んでいると、
気持ちはどうしても
強くなっていきます。
でも、
誰かに話すことで
少し距離を置いて
物事を見ることができるようになります。
4-3. 距離が遠いと感じたとき
逆に、
「少し距離を取りすぎているかもしれない」
と感じるときもあります。
そんなときは、
利用者さんのことを
もう少し知ろうとしてみる。
その人が
どんな生活をしてきたのか。
どんな思いで
ここに来ているのか。
そうした背景を知ることで、
自然と距離が近づくこともあります。

距離感って、
一回決めたら終わりじゃないんだよね
近すぎず、遠すぎず。
そのバランスを
少しずつ調整していくことが大切です。
まとめ
ここまで、
折れない中堅に共通する考え方を
見てきました。
感情に振り回されすぎないこと
相談と報告を
うまく使い分けること
仕事との距離感を
整えていくこと
利用者さんとの距離感を
調整していくこと
折れない中堅とは、
特別強い人ではありません。
感情や仕事との距離を、
少しずつ整えていける人。
完璧である必要はありません。
少しずつ整えていく。
それが、
長く続けるコツなのかもしれません。
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今回の記事では、
折れない中堅の考え方について整理しました。
これまでの記事では、
中堅が抱えやすい悩みを
一つずつ整理しています。
まだ読んでいない記事があれば、
こちらも参考にしてみてください。

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