【あなたもやっているかも?!】その一言が心をしばる。まるが語るスピーチロックの気づき

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【スピーチロック】あなたもやっているかも?!その一言が心をしばる。声かけで意識しておきたいこと。

まるる
まるる

利用者さんが立とうとしたときに、『危ないですよ!』って

つい言っちゃうこと、ありませんか?

まるみ
まるみ

あるある。

利用者さんの安全を思って言ってるんだけど、言い方ひとつで相手が傷ついたり、浮かない表情をされることもあるよね。

まる<br>
まる

そうなんです。

しかも、とっさに出る言葉だから、ちょっと強い言い方になってしまったり…。

介護の現場では、利用者さんの安全を守ろうとするあまり、つい「危ないですよ!」「座っていてください!」と声をかけてしまうことがあります。けれど、その声かけが知らず知らずのうちにスピーチロック――つまり、言葉による行動の制限になってしまうこともあるのです。

🐱まるも、立位が不安定な利用者さんに強い口調で座るよう伝えてしまい、寂しそうな表情をみせられたことがありました。あのとき、「自分の気持ちをわかってもらえなかった」と感じたのかもしれません。

今回はその経験をもとに、“安全”と“尊重”を両立するための声かけの工夫について考えていきます。小さな言葉ひとつが、信頼関係をつくるきっかけになる――そんな気づきを一緒に見つけていきましょう。

1, スピーチロックとは何か

介護の現場で使われる「スピーチロック」という言葉。これは言葉によって相手の行動を制限してしまうことを指します。
「危ないですよ」「ダメですよ」「座っていてくださいね」など、一見やさしい言葉でも、相手の自由や意欲を奪ってしまうことがあるのです。

実はこのスピーチロック、行き過ぎた形になると心理的虐待に該当するリスクもあります。本人の意思や選択を奪い、尊厳を損なう結果につながることがあるのです。

制止された利用者さんは「自分の思いが伝わらない」「信頼されていない」と感じ、精神的なストレスや不安を抱く場合もあります。

自分事として考える視点

ここで一度、自分に置き換えて考えてみましょう。

例えば、あなたが何かをしようとしたときに「座ってください!」「それはやらないでください」と行動を制止する言葉を向けられたら、どう感じますか。多くの人は「なんでそんなこと言われなきゃいけないの」と、イラっとしたり、憤りや不満を覚えるはずです。
これは認知症の方でも同じです。相手の気持ちに立って考えることが、寄り添うケアの一歩目になります。

まるみ
まるみ

まずは、「自分だったらどう感じるか」と考えることね?

たしかに視点が変わります。

まる
まる

視点が変わると、言葉の選び方も自然と変わっていきます。

2, まるの現場で起きた“移動制止”の事例

以前、立位が不安定な利用者さんが立ち上がろうとしたとき、

まる
まる

Aさん、危ないですから座ってください!

と、とっさに強めの口調で言ってしまったことがありました。
利用者さんは座ってくださいましたが、どこか納得していないような、少しがっかりした様な表情をされていたのを今でも覚えています。

私は、Aさんから少し離れた場所にいました。ほかの方の見守りもあり、「転倒したら危ない」という思いが強く、つい強い言葉になってしまったのです。

けれどあとで思ったのです――あの表情には、何か言いたい思いがあったのではないかと。

まるみ
まるみ

安全のために言ったのに、利用者さんにとっては「止められた」って感じちゃったのね。

まる
まる

そう。あの一瞬で利用者さんの安全を守ったつもりが、心を遠ざけていたことに気づいたんだ。

3,背景を知るケアへの転換

あの出来事を振り返り、「なぜ利用者さんは立ち上がろうとされたのか?」を考えてみました。すると、「トイレに行きたかった」「誰かを探していた」「何かを取りに行きたかった」など、行動には必ず理由があると気づいたんです。

私たちはつい「座っていてください」と止めてしまいますが、本人の立場からすれば「自分の気持ちをわかってもらえなかった」と感じることもあります。特に認知症の方は、言葉で意図を説明するのが難しいため、行動そのものが“心のサイン”になっているのです。

まるみ
まるみ

「どうしましたか?」って一言聞くだけで、関わり方が変わりますよね

まる
まる

そうですね。声かけを変えるだけで、表情も雰囲気も柔らかくなります

たとえば、こんな声かけが効果的です。

効果的な声かけの一例

  • 「どうしましたか?」
  • 「すぐ戻るので、お話を聞かせてくださいね」
  • 「ゆっくりで大丈夫ですよ」

これらの言葉には、危険を伝えるよりもあなたを理解したいという気持ちが込められています。

まるみ
まるみ

利用者さんに、安心と尊重を伝える口調が大切なのね

学びとまとめ

スピーチロックは、特別な人がするものではありません。誰にでも起きる“気づかないうちの制限”です。
でも、その裏には必ず利用者さんの安全を守りたいという気持ちがあります。大切なのは、その気持ちを少しだけ方向転換し、止めるではなく寄り添う声かけに変えていくこと。

同時に、スピーチロックは虐待の入り口になり得るということも忘れてはいけません。

利用者さんの尊厳を守るためにも、私たち自身が「言葉の力」を意識し続けることが大切です。「自分が言われたらどう感じるか」を合言葉に、今日の現場でひとことを選び直してみましょう。

まる
まる

安全を守るための言葉も、伝え方次第で信頼をつくる言葉になるんです。

まるみ
まるみ

「危ないですよ!」から「どうしましたか?」へ。

ほんの少しの違いで、相手の笑顔が戻ることってあるよね。

まる
まる

うん、それが「その人らしさ」を支える第一歩。スピーチロックを意識することは、思いやりのあるケアを育てることなんだよね。

次回予告:事例2「歌が好きなAさん」

次回は、歌を通じて心の動きを感じ取ったエピソードをご紹介します。
“歌う”という行為の中に隠れた感情をどう受け止めるか――音楽をきっかけに“その人の世界”へ近づくケアを一緒に考えていきましょう。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🐱

サイト運営者:まるさん
入所施設、通所施設での介護歴20年。実務者研修などの講師歴15年。現在は管理職として奮闘中です! 介護の現場で悩む新人さん、中堅職員さん、介護技能実習生さん達の力になれたら…そんな想いでブログを始めることにしました。 【保有資格】介護福祉士、介護支援専門員
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