こんにちは まるです。
前回のブログでは「怒りの原因」や「とらえ方のクセ」についてお話ししました。
(まだ読んでいない方は、ぜひ前回の記事から読んでみてくださいね!)
「原因はわかったけど、やっぱり怒っちゃうときはあるよね…」
「叱るのって難しいんだよなぁ、つい感情的になっちゃう…」
そんなふうに思ったことはありませんか?
正直、私自身も短気な性格で、日常のちょっとしたことで「カーッ」となることがよくあります。
今でも「うわっ、またイライラしてる…」と自分に気づくこともあるくらい。
でも、そんな私でもできる 「怒りの取り扱い方」や「叱り方のコツ」 があるんです。
今回はそれを具体的にお伝えしていきます。
現場ですぐに使える対処法や習慣化できる工夫もあるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
怒りの取扱説明書

介護現場で働いていると、こんな気持ちになることってありませんか?
- 「〇〇さんって本当に仕事が遅くてイライラする!」
- 「△△さんの声かけって乱暴で聞いてるだけでムカムカする…」
- 言われたとおりにちゃんとやっているのに怒られた。悲しい、怖い、聞きずらい…
- あのときの嫌なことを思い出すと、また怒りがこみあげてくる
- いろいろ問題が発生して業務がまわらない!みんなちゃんとやってくれない!!
このような気持ちになるのは、価値観のズレによって生じた「怒りになる前の1次感情」や「怒り」の原因を相手のせいにしたり、いつまでも「過去の出来事」にとらわれているからです。
原因や過去ばかり考えていると、思考がどんどんマイナスに傾いていきます。怒りがどんどん膨らんで、やがて「怒り」から「恨み」や「憎しみ」にまで発展する危険もあるんです。

こんな状態の職員が一人でもいたら、介護現場の雰囲気はピリピリするしよね。業務にも支障のでる恐れが…。

介護職員は、一人の利用者さんに対して複数の職員でケアを行う集団援助。
だからこそ、職員一人ひとりがアンガーマネジメントを学ぶことが大切なんだ!
私もつい「あの人のせいだ!」って考えてしまうことがありますが、それでは前に進めません。
解決のポイントは2つ
意識を 「解決策」や「未来」 に向けること ⇒気持ちが前向きになる
怒りを伝える言葉の数を増やすこと ⇒ 本当の気持ちを伝えることができる
「じゃあどうしたらスムーズに仕事が進むかな?」、「前にこういうことがあったから、次はこうしてみよう」のように考え方をシフトするだけで、気持ちがぐっと前向きになります。
怒りを伝える言葉が乏しいと、強烈な言葉や態度で相手を傷つけることになります。
そうなると相手は反発したり怯えたりして、人間関係が壊れてしまうリスクが高まるでしょう。
ポイントはアサーティブコミュニケーション
ここで役立つのが 「アサーティブコミュニケーション」 です。
アサーティブコミュニケーションを身につけると、人間関係が円滑になったり働きやすい職場環境の形成につながるといった効果が期待され、多くの企業でや教育現場で取り入れられています。

自分のコミュニケーションタイプ(伝えかたのクセ)を知ろう
自分のタイプを詳しくチェックしたい、アサーティブコミュニケーションを詳しく知りたいという方は、こちらのサイトをご覧ください。
(外部のサイトに遷移します:特定非営利活動法人アサーティブ・ジャパン https://www.assertive.org/communication/type/)

介護現場では、「攻撃的」と「受け身的」の2タイプが圧倒的に多い印象。
この他に、「作為的」と「アサーティブ」と言われるタイプもあるよ。
タイプ別の特徴
- 攻撃的タイプ
- 自分の意見を強く押し通し、相手の気持ちを尊重しない。高圧的で命令的になりやすく、人間関係のトラブルを招く。
- 受け身的タイプ
- 自分の気持ちを抑え込み、相手や場の空気を優先する。NOが言えず、ストレスをため込みやすい。

自分のタイプを知ることで、改善策がわかるのよね
タイプ別改善のヒント
- 攻撃的なタイプ
- 受け止めやすい言葉を選ぶ、相手の立場に配慮する、具体的な事例を使って伝える。
- 受け身的なタイプ
- 自分の気持ちを言葉にする練習をする、質問を活用して会話を広げる、安心して発言できる環境をつくる。
このような工夫を続けることで、自己主張と相手の尊重が両立したアサーティブな関わり方に近づいていけます。
叱るってとても大事なこと
介護現場では「叱る」ことも避けて通れません。
叱ること自体は悪いことではなく、むしろ相手の成長を促す大事な行為です。

「叱る」と「怒る」は全くの別物!
「怒る」は、感情的に怒りを相手にぶつける行為。
「叱る」は、冷静に問題点を指摘して、改善を促す行為。
NGな叱り方
- 自分の機嫌で叱る
- 過去を蒸し返す
- 原因を過度に追及する
- 人格を否定する
Goodな叱り方
- 「何を伝えたいか」をはっきりさせる(理由+改善してほしいことをセットで)
- 叱る基準を明確にする(「次からこうしてほしい」を具体的に)
- 叱る目的を伝える(「成長してほしいから言っている」)
怒りが襲ってきたときの具体的な対処法

アンガーマネジメントには、大きく分けて「即効法」と「習慣化」の2つの軸があります。
両方をバランスよく取り入れることで、怒りをコントロールできるようになります。
即効法
今日から現場で使える「即効性のある方法」。実際に取り入れて、効果があったものをいくつか紹介します。
- 6秒待つ:怒りのピークは6秒。数えるだけで落ち着く
- 思考を止める:カチンときたら一瞬「考えるのをやめる」
- その場から離れる:スッと席を外すだけでリセットできる
- 深呼吸する:2秒で吸って、4秒で吐くリズムで腹式呼吸

取り入れやすいものから、どんどん試して、自分に合うものをみつけてね。
まるのオススメは「その場から離れる」。
習慣化
日々続ける「怒りにくくなる習慣」。これは体質改善みたいなもので、続けるうちに効果が感じられるようになります。
- 怒りに点数をつける:「今のは5点!」とスコア化すると自分を客観視できる
- 自分の「~べき」を書き出す:価値観を見える化して冷静に対応しやすくする
- 体をリラックスさせる:有酸素運動やストレッチで脳内物質が整い、怒りにくい体質に

習慣化のひとつとして、毎日ストレッチをするようになったよ。
疲れた日もストレッチをすると気持ちがスッキリするので、こちらもオススメ!
まとめ
- 怒りの感情は誰のせいでもなく「自分の中から生まれている」もの
- 「考え方のクセ」を見直せばイライラを減らせる
- アンガーマネジメントは怒りの連鎖を断ち切り、人間関係をよりよくする力がある
- 介護現場ではチームワークが命。良好な関係づくりがチーム力アップにつながる
人を変えることは難しいけれど、自分の言動を少しずつ変えていくことはできます。
ぜひ、ここで紹介したことから「これならできそう!」というものを一つでも取り入れてみてください。
イライラに振り回されずに働ける介護職を目指して、一緒に実践していきましょう!
参考にした本はこちら
「いつも怒っている人も上手く怒れない人も図解アンガーマネジメント」
戸田 久実=著 安藤 俊介=監修 かんき出版 2016年発行
→サクッと読めて、とてもわかりやすいおすすめの一冊。困った時や悩んだ時は、必ず開く本です。
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