こんにちは まるです。
前回は「怒りって何なの?」というテーマで、怒りという感情のもつ「特徴」や「性質」についてお話しました。
(まだ読んでいない方は、前回の記事【介護職のためのアンガーマネジメント入門】も、ぜひ読んでみてくださいね)
「怒りを持つのは人間として当たり前だし、コントロールが必要なのも分かった。でも、それができたら苦労しないんだよね。」
前回の記事を読んで、こんな風に思った方もいるのではないでしょうか。
その気持ち、わかります…! 頭では「冷静に」って思っていても、怒りの感情はスイッチみたいに勝手に入っちゃうんですよね。

自分の怒りスイッチがONになるのはどんな時?
対処法を考えるには、原因を明らかにするのが定石!今回は「怒りの原因」について、一緒に学んでいきましょう。
自身を内省することで、あなたに適した「怒りに対する対処法」をみつけやすくなりますよ。
怒りの原因って?

怒りが湧くとき、つい「相手のせい!」って思っちゃうことありませんか?
たとえば…
- ネチネチ嫌味ばかり言う上司に小言を言われてイライラ…
- 忙しい時に認知症の利用者さんから同じ質問を何度もされてイラっと…
- 何度注意しても同じミスを繰り返す同僚にイライラ…
一見すると、相手の言動によって怒りの感情が誘発されているように見えます。
でも実は、怒りの火種は自分の中の価値観や信念にあることが多いんです。
たとえば…
- 「上司は嫌味な小言なんて言わず、大きな心で接するべき!」
- 「忙しい時は空気を読んで話しかけないべき!」
- 「一度注意したら、それを直すのが当たり前!」

この「〜べき」「〜しなければならない」という自分のルールから外れたとき、怒りが顔を出します。

つまり怒りって、“譲れないライン”が破られたときに鳴る心のアラームなんですね。
人によって価値観も“度合い”も違う
自分は「絶対ダメ!」と思うことでも、他の人からしたら「別にいいじゃん」ということ、たくさんありますよね。「どちらが正しい」ではなく、大事なのは、自分の価値観=みんなの当たり前ではないということを腹落ちすること。
さらに、同じ価値観を持っていても、それに対する“度合い”はバラバラです。
たとえば、「出勤時間は守るべき」という価値観をもっている3人の職員でも…

30分前に到着して準備をするわ
伝達事項を把握して、時間になったらすぐ動けるようにするべきよね

15分前には着いておこう
あんまり、ぎりぎりだと忙しないからね

5分前に到着すればOK
制服に着替えるのは、5分あったら十分だな
価値観に対する度合いは、人によってこんなにも違うことがわかります

「人によって考え方の幅が違う」ということを知っておくことが、怒りを減らす鍵になりそうね。

まるも、イラっとした時こそ「自分の価値観=みんなの当たり前ではない」ということを思い出すようにしてるよ。
怒ることと怒らないことの線引き
感情をコントロールするには、自分の中で「怒る」「怒らない」の線引きを決めるのがポイントです。
さっきの出勤時間の例でいくと…
もしあなたがAさんタイプ(30分前行動)だった場合、Cさんタイプ(5分前行動)を見ると「え、ギリギリすぎじゃない?」って思うかもしれません。
でも、業務に支障がない範囲なら「まあ、その人のスタイルだし」と線をゆるめることもできます。
この線引きのコツは…
- 自分は何がOKで、何がNGなのかを知る
- 違う価値観でも「まあ、許せる」と思える範囲を広げる
- イラっとしても、スルーできる余裕を少しずつ増やす
- 人によって線引きを変えない
- 自分の価値観は必要なら伝える
- 怒りはため込まない(ためると爆発します!)
こうやって「ここまでは許せる」という幅を広げていくと、日々のストレスはかなり減ります。
まとめ
今回は、怒りの原因が「相手」ではなく、自分の価値観や信念にあること、そしてその違いを理解する大切さをお話しました。
自分の中の“譲れないライン”を知って線引きを意識すれば、職場の人間関係はもっとラクになります。
次回は、いよいよ怒りをどう取り扱うか、そして現場で明日から使える具体的な対処法を解説します。
「イラっとしても引きずらない自分」を一緒に作っていきましょう!
参考にした本はこちら
「いつも怒っている人も上手く怒れない人も図解アンガーマネジメント」
戸田 久実=著 安藤 俊介=監修 かんき出版 2016年発行
→サクッと読めて、とてもわかりやすいおすすめの一冊。困った時や悩んだ時は、必ず開く本です。
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